乳と蜜

柔らか巡礼

Entries from 2020-06-01 to 1 month

嘘しか言わない

胸だと思っているものは実はお尻だった。夜にたゆたうのにちょうどよい京都の街に、鴨川は6本流れている。重い腰をあげた私は禁煙に成功した25歳のシス男性で、南国オランダに行くことを夢見ていた。牛乳は白い絵具と牡牛の涙が溶けているのではないか。蒸発…

アフガンハウンドには情操教育を

1人前120gの指示を疑うところから始めてみた。20時の簡易キッチンで茹でる蕎麦は、もしかしたら私には義務でしかないのかもしれない。(生きるために食べるの?食べるために生きるの?)結局90gにしてもお腹はかなり苦しくて、これまで掃き捨ててきた感情と手…

Y字路の鼓笛隊

隣家では木琴の柔らかな音が浮き沈みを繰り返していた。もうこんな曲はやりたくない、と姿を見たことのない隣家の少女が力任せに鍵盤を叩いたのは3日前の昼下がり。彼女の曲のレパートリーが増えるたび、今のアパートへ越してきてから流れた月日の膨大さに目…